#1 「恐怖の買い物!」
その日、俺はご機嫌だった。最愛の彼女とのラブラブな休日。穏やかな午後。
特にどこに出かけるでもなく、俺の部屋でくつろいでいた。ところが・・・。
「アッ・・・!」彼女が急に叫んだ!
「なっちゃったみたい!」
予定より10日も早くアレが始まってしまったらしく、アレを持っていないという。
「イタタタ。なんか腰が重いよー。ねえ、お願いがあるんだけどー」と彼女は言った。
「ねえ、アレ買ってきてくんない?」
以下、会話。
「ゲッ!俺そんなもん買ったことないよ!絶対イヤだ!」
「もう!お願い!買ってきて!」
「イヤだ!恥ずかしい!そんなもん買いになんか行けるか!」
気まずい沈黙の刻が流れた・・・!
「わかった!もう帰る!いいもん!コンビニでトイレ借りるから!いいもん!」
「ちょっと待てよ!自分で買ってくればいいじゃん。まだ帰るなよー」
「もういい!ティッシュはさんでコンビニまでたどり着くから!」
「ちょっと待てよ!わかったよ!行けばいいんだろ!行けば!」
「いいわよ、行かなくて!」
「あんたはわたしが困ってるときに何もしてくれないのね!よーくわかったわよ!」
俺は動揺していた。そんな、アレなんかを買うなんて!なんて恥ずかしいんだろう。
しかし、彼女に嫌われるのはいやだ!どうすればいいんだ!この俺は!
彼女はすでに化粧を直して、帰ろうとしている。
よし!決めた!俺は男だ!やってやろうじゃねえか!
「わかったよ!俺がそのナップちゃんとやらを買ってきてやろうじゃないか!」
おどけて言ってはみたが、悲しくなった。
「そんなにイヤなのに、行かなくていいよ!絶対イヤなんでしょ!」
彼女の瞳は潤んでいた!これはヤバイ!
「そんなことないよ!おまえが困ってるなら助けてあげなきゃな!まかせろ!」
ほんとは、ものすごく悲しかった。まったく女ってヤツは・・・!
「ほんとに行ってくれるのー?悪いよー」
「だいじょうぶ!よし、行く!ところでいつも何使ってるんだっけ?」
「ウイスパーの普通の!」
羽付きかーと思った。すごく悲しかった!
俺は部屋を飛び出した。いつもより早足で歩きながら、頭の中ではものすごい勢いで計画を練っていた
「この時間だと、コンビニにはバイトの女子高生がいるな!コンビニはパス!やっぱ、おばちゃんの居そうな薬局だな!」
俺はさらにスピードを上げて目を付けた薬局へ急いだ!
薬局に着くと、案の定おばちゃんが店番をしていた。セーフ!
俺はすばやく右手の指輪を左手に付け替えていた。無意識のうちに!
店に入ると、おばちゃんはジローっと俺を足の先から頭のてっぺんまでナメるように見た!
もしかして、しくじったかも知れない!しかし後戻りは出来ない!
俺はすばやく左右を見渡した。狙いのアレは右の棚にあった!
忍者のようにすばやくその棚の前に立ち、羽付きのアレを探した!しかし!
レギュラーとロングってのがあるぞ!
普通のって言ってたが、多い日も安心のほうがいいのではないか?
俺は悩んだ!しかし、レギュラーのほうを手にしてレジへ向かっていた!
おばちゃんは言った「痔なの?」
俺は、明らかに動揺していた。しかし、落ちついた振りをしてこう言った!
「女房に頼まれてね!いやー女性ってのはたいへんですなあ」
最高に悲しくなった。
俺はすばやく代金の480円を払い、そそくさと薬局を飛び出した!
もう、こんな恥ずかしい思いをするのはイヤだ!
こんなでっかい茶色の紙袋を持つのは初めてだ!なんてカッコ悪いんだろう!
コレはストック分として俺の部屋に置いておこう!と思った!
アパートにさらに早足で向かいながら、俺は思った。
「これで彼女も俺を見直してくれるだろう」と。
トホホ度(5点満点で) 3.5点!